JFLチームのトレーナー
フィットネスジムのマネージャーから、サッカーチームのトレーナーに!
フィットネスジムのマネージャー勤務をし、2020年からサッカーチームのトレーナーに転向された久保 和輝(くぼ かずき)さん。
チームでの勤務が2年経過した現在のお話を伺ったところ、働いてみて感じたことや、キャリアの形成について語ってくれました。
インタビューで詳しく伺っています。
現在とこれまでの働き方
自己紹介をお願いします。
ソニー仙台というJFLのチームでトレーナーをしています。
以前はフィットネスジムのマネージャーをしていました。
現在はどのようなお仕事をされていますか?
主にチームではメディカル領域を担当しています。
具体的な業務はテーピング、プレー中に怪我が起きないかの観察、怪我や故障を抱えている選手の動きチェック、マッサージ、怪我の評価チェックなどをしています。
仕事で意識していることは「基本に忠実に、これまでに学んだベースを大事にする」という部分です。
怪我や痛みなどの事象に対して様々な可能性を探り、仮説を持ちながら選手の身体に向き合っています。決して思い込みで決めつけたりせず、常に「なぜ」を考え原理原則から答えを導き出そうとしています。
今の働き方でよかったと感じること
毎日の取り組みが次のステップにつながっているということを、日々感じることができる部分です。
将来的にはチームに所属するのではなく、完全に独立して活動を行いたいと思っています。
そのために今は経験を積みつつ、個人で活動するための準備をしています。所属先から安定した給料をもらえるので、本業以外にも色々な活動へ参加するなど、将来に繋がるアクションを安心してできる点も良かったと感じています。
前職はどういったお仕事をされていましたか?
フィットネススタジオの店舗責任者としてビジネス面を含めた運営と、トレーナーとしてセッションを行っていました。
3年間勤務した中で、特にお金の動きを学びました。単に給料として経営者からもらうのではなく、会員さんから直接現金として渡され、それが自分の報酬になっているということを感じた瞬間が印象的でした。「自分のサービスに対する対価がこれであっているのか」「提供するサービスはこれで十分なのか」ということを考えるきっかけになりました。
運営面では、頂いた会費をスタッフへの給料や、店を拡大したり良くしていくためにどのように使えるかを考えました。
なおフィットネススタジオと並行して週1回、京都にある高校サッカーの強豪校でもトレーナー活動をやっていました。
きっかけは知人の紹介で、前の人が辞めて後任を探していたところにタイミングよく関わることができました。その時に現場に出て積んだ経験が、確実に今の仕事に活きています。
学生時代
学生時代に学んでいたことを教えてください。
関西医療大学に通い柔道整復師の資格を目指して勉強しながら、フィットネスジムでアルバイトをしていました。将来はトレーナーとして働きたいと考えていたので、学校以外でも積極的に行動していました。
独立とその経緯
独立して将来したいことは?
学校の部活動に関わりたいと思っています。部活の外部委託が始まるので、学校の部活で起こっている選手と先生のミスマッチを解決するような活動をしたいです。
今はトップレベルの現場でトレーナーとしての経験を積みながら、将来の独立に向けた動きも並行してやっています。
どういう経緯で今の職に就いたのですか?
東日本大震災の時に、東北地域に関わりたいという気持ちが湧いたのがきっかけです。
大学時代に震災の復興支援活動に行きました。実際に現地へ行くと、ニュースで聞いていた話とまったく違いました。
現地でリアルな現状を見た時に「今の自分の生活とのギャップ」を感じ、将来的には自分のやってきたスポーツで東北に何か貢献をしたいという思いが強く湧き出てきました。
そんなことを考えていたタイミングで、今のチームがトレーナーを探しているという話が入ってきたので「これは奇跡的なタイミングだ、行くべくして行くんだ」と思い、今の環境に飛び込むことにしました!
環境を変えようと思ったきっかけは?
高校サッカーとフィットネスジムで働いていた自分がトレーナーとして活動する上で、もうワンランク高いところで活動し経験を積みたいという思いがありました。これまで相手にしていたクライアントさんとアスリートでは、求められるレベルが大きく違うと働いてみて感じました。
今の環境では毎日が勝負です。ある意味選手も自分たちのことを試してくる部分もあります。厳しい環境ですが、こういった環境やそれに取り組む毎日が学びとなって、自分を高めてくれています。
フリーランスで仕事をする上で印象に残っていることはありますか?
学生の時から培ってきた「目の前のチャンスへいかに飛びつけるか」という精神に、ある時限界を感じたことです。
私自身、学生であれ社会人であれ、将来に向けていかに準備するかということを大切にしてきました。そして、目の前のチャンスに飛びつけるか、行動できるかという部分には自信を持っていたのが本音です。現に学生の頃から、様々なチャレンジをしてきました。
しかし今の仕事をしている中で「チャレンジ精神だけではダメだ」と、現状に壁を感じたことがあります。サッカーチームで働いて感じたことは、今自分はこの仕事の場に「プロ」として働きに来ているのであって、決して「学びに来ている」わけではないためです。
1年目はそこの認識が至らなかったせいで、現場で求められるものとのギャップを何度も痛感しました。一緒に働いているトレーナーの方も、専門的な知識・スキルとも自分より格段にレベルが高かったです。当初自分は仕事をする上で、彼と並んで話をするには基礎ベースの知識が足りていないほどでした。
「なんとなくぼんやりわかっている」ではなく、細かく理論も立体で考えられるような知識量の必要性を、プロの現場に入ってから初めて感じたのが実際です。
こうした基準に学生時代から触れ、基本的な知識から身に着けていれば今はもっとスムーズに活躍できていたと思っています。
運営しているAscenders株式会社について
Ascendersとの関わりは?
大学2年生の時からセミナーに参加していて、今の仕事もAscendersを通して紹介してもらいました。学生の頃から社会人の方と関わったり、専門的なことを学んだりできたことが自分にとってはよかったです。
今の仕事で心がけている基本を大切にする姿勢は、Ascendersと関わっている中で学ぶことができました。改めて振り返ると、今の自分の基礎を作ってくれたと思っています。
最後に独立を目指す人へのメッセージ
とにかく行動するのは当たり前です。行動だけではなく、技術に関連する基礎的な力も高いレベルで身につけておいた方がいいと思います。
起こっている現象から原因を考えて、根拠を持ってピンポイントでアウトプットできることが大切だと感じます。自分の特徴を出していくにも、なにより基礎が大切です。
今から勉強する人、プロの現場に飛び込みたい人は、面白くないかもしれませんが基本的なことから徹底的に学びを深めていってください。
トレーナーとして独立成功者インタビュー
運営会社の
Ascenders株式会社について
スポーツに関わる、すべての人へ。
スポーツのインフラになるというミッションの実現には、Ascendersだけでなくスポーツに関わるすべての人たちの活動を後押しすることが必要です。
私たちはスポーツで働く人たちをエンパワメントしていく存在でありたいという想いから、サービスを作り続けています。